2010年8月10日火曜日

8月は過去を偲んで過ぎていく

およそ8月ほど過去を偲んだり懐かしんだり、また邂逅したりして過ごす月は他には無い。


8月6日の広島原爆投下記念日に始まり、9日の長崎の同記念日。

12日の日航ジャンボ機墜落による犠牲者合同慰霊祭。

続いて15日の終戦記念日。

そしてその記念日の前後にまたがる今は亡き人たちをこの世に迎えるお盆。

さらには古きよき時代へのノスタルジーを揺り動かす甲子園球場の全国高校野球選手権大会。

またこのお盆のシーズンには普段より長めの休日があり、人々が帰省する郷里では、多くの学校の同窓生たちが学生時代を偲んで同窓会を開催するのも習わしになっている。

このように息つく暇も無いほど、この月に集中して過去とのつながりを断ち切れない催しが連続的に続いており、この月ほどわたし達が連日にわたって過去を偲んだり、また懺悔やお祈りにくれたりする期間は他にないのである。

それだけに一年で最も暑いこの8月だが、その日々は意外と速く過ぎていくような気さえする。

また郷愁や邂逅に通じる古きよき時代への思いからか、失いかけていた貴重なモノを再び心に取り戻せた、と感じる期間であるようにも思う。

この暑い8月の広島、長崎の原爆記念日とそれに続く終戦記念日。

未曾有の死者を出した日航ジャンボジェット機墜落事故の合同慰霊祭。

さらにはお盆休みの帰省先の故郷で行われる古きよき時代を偲ぶ同窓会。

これらの8月の一連の行事と催しごとは、とかく心を失いつつあるわたし達に再びあたたかい人とのつながりを思い出させてくれ、これからの人生にやさしさと憂いを取り戻させてくれるのである。

またこの8月には各テレビ局が競って戦争記念特集番組を組んでおり、戦時中の悲惨な生々しい光景を私達一人一人が反省と自戒の念をもって、目にすることができるのである。

戦争は悪であると認めながら、少しでも油断したら、またたやすくその渦中に身を沈めてしまいそうになる混沌とした現在の世の中だが、そんな気がする時こそ、この8月に私たちが胸に描く熱い思いをしっかりと受け止め、実生活において、その発露を見いだしていきたいものである。





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