2010年12月20日月曜日

金券ショップ・「電車乗車券」安売りの不思議

通勤で定期券を利用する人を除いて、都市圏に住んでいてたまに電車に乗る人の中で「金券ショップ」の安売りの乗車券を利用したことがない人が果たしているだろうか。

いま都市圏の駅の近くには必ずと言っていいほど多くの「金券ショップ」が軒を連ねている。

そしてそこではJRをはじめあらゆる私鉄の乗車券が駅の券売機で買うより安い値段で売られている

私がいつも乗車するJR姫路駅の近くにも大きなショーケースを備えた立派な店舗の「金券ショップ」が五つもある。

そしてそれらのどこの店でも各種のチケット類が入ったショーケースの上には商品名と価格が書かれたた縦書きの多数の「タンザク」が所狭しと貼ってある。

例えば『姫路⇔大阪「昼得」2300円』というふうにである。

乗客にとっては電車賃が安いのは喜ばしいことに違いない。

しかし私はこうした店を目にするたびにいつもこの安い乗車券について疑問がわいてくるのである。

その疑問というのは

なぜこうした「割引価格」の安い切符を売って利益をあげることが出来るほどの「大量の乗車券」を調達することができるのか」ということなのである。

もちろん一部のチケットは回数券を購入してそれを「ばら売り」しているのだと思う。

しかしその方法だと利益は10枚売っても1割以下しか出ないはずである。

つまり先ほどの「姫路⇔大阪2300円」の場合だと24000円投入して11枚つづり券を仕入れて、それを一枚づつ11回販売して25300円になり、そこでやっと1300円の利益が得られるだけなのである。

この場合のように比較的単価が高いものでさえ11枚さばいて利益は6%ほどしかないのである。

しかも乗車券は何も高いものばかりではなく往復でも500円前後というのも多いはずである。

当然そうした近距離の安いチケットの場合は、先ほどの「姫路⇔大阪」ほど利益は多くないのである。

この例で分かるように素人考えでは決してそれほど旨みのあるビジネスではないように思われるのだ。

でも実際に多くの店が長い間営業を続けているのである。

もちろんこうした店は何も電車の乗車券だけ扱っているわけではない。

デパートの「商品券」、クレディット会社などが出している500円や1000円単位の「金券」さらには「株主優待券」「テレフォンカード」「ビール券」などなど商品のレパートリィーはなかなか広い。

最近ではJRが年3回出している人気商品の「青春18切符」の端数売りまで登場している。

端数売りとは本来は5回乗車分で11500円なのだが、5回分すべて使わなかった人が残した分を金券ショップに持ち込むのである。

そうしたものが例えば2回分だと4500円程度で売られていて、多く回数を必要としない人にとっては非常にありがたいものである。

話は少し変わるが、少し前「大阪市営地下鉄」の大量の「乗車パス」が特定の業者に「横流し」されていて、それが「金券ショップ」に流れているということがテレビで報道されていた。

その量というのが半端ではなく、金額にして何億円にも及ぶのである。

こうした例にもみるように、金券ショップの商品調達は決して乗車券の回数券購入や、客が持ち込むクレディットカードで購入した(あるいは不要な)商品券や金券などの買取だけでなく、

そうした「横流し」などによる「大口持込」がそうとう貢献しているのではないだろうか。

そうでなければ決して「大量で安定的な商品の品揃え」をもってビジネスを続けていくことは困難なのではないかと思える。

時々行くことのある大阪駅前地下街(特に駅前第一ビル、第二ビル地下)のおびただしい数の金券ショップが並んだ光景は見ていて壮観でさえある。

そうした店の数は一向に減る様子はなく、店先にはいつも客があふれ活況を呈している。

安いチケット類を手に入れることが出来る庶民の立場としては正当な商法での末永い存続を願う次第である。

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