2011年3月8日火曜日

客はよく見てますよ!・あれ以来行く気がしない2軒の店

食堂街・2軒の店での気になった光景

大阪梅田・阪急百貨店のすぐ西側に「新梅田食堂街」という大きな飲食店街がある。

でもこの「新梅田食堂街」という名前より大阪駅東口隣の「高架下飲屋街」と言った方が一般の人にはわかりやすいかもしれない。

高架下というとおり頭上にはJR東海道線などの列車がひっきりなしに通っている。

この食堂街、いや男性の方々には「飲屋街」と言った方がとおりがいいのだが、その店舗数はゆうに100軒を上まわっており、実にさまざまな種類の飲食店がそろっている。

ただ高架下にもかかわらず店は2階建になっていて所によっては天井が低い分やや圧迫感を感じることもあるのだが。

この飲み屋街、午前中から営業している店もあって昼夜を通じて人通りはすこぶる多く、他の地域の飲食店街に比べ随分と賑わいを見せており、それなりに繁盛している店も多いようである。

以前は大阪市内の勤務であった私は仕事の帰りにはよくここへ立ち寄り帰宅前の憩いの一時を過ごしたものである。

勤務が他の地域に変わってからも大阪へは所用でしばしば行くことがあり、その都度この飲み屋街へは長く途切れることなく出入りを続けていた。

「100」以上もあるので通った店の数も10店は下らなかった。

しかしある時を境にそのうちの2軒の店にはまったく行かなくなった。

その2軒の店については今でも名前と場所ははっきり覚えている。行かなくなったのは偶然同じ日にそれら二店で決して目にしたくはないような光景に出くわしたからである。

(その1)山のような売れ残りの串カツ

まず1店目だが、この店はもう何十年も前から営業を続けている立飲の串カツ屋である。

今から半年少し前のことだが所用で大阪へ出向きその帰途夕方6時前にその店へ入った。
ゴールデンタイムだというのになぜか以前に比べて極端に客入りが良くないのが気になったが、ビールを飲みながらお好みの串カツを食べていた。

5〜6本を食べ終わったところでふと奥の厨房の様子が目に入った。

ガラス越しに見えたその場所にはガスレンジにかけた大きな串カツを揚げる鍋があり、その鍋の横に食品らしきものを積み上げた大きな山ができていた。

いったいあれはなんだろうと、好奇な気持も手伝って目を凝らしてよく見てみると、それはどうやら串カツの山のようだった。でもそれは揚げる前の新しい串カツではなく、もう揚げ終えた串カツのようだった。

でも不思議なことに厨房の係りの人はその山から一枚づつ掴んでまた油の中へ入れていたのだ。
ここまでくるともう誰だって気がつくであろう。

つまり一度上げたものをもう一度揚げなおしているのである。はやいこと言えば売れ残りの串カツを揚げなおしてそれを再び客に出しているのである。

それがいつの売れ残りかは定かでないがあの山の大きさを見るとどうも2〜3日間にたまったものを処理しているように見える。

この光景を目にしてそんなふうに考えた私は一瞬にして食欲を失ってしまった。そして即座に「お勘定」と叫ぶと、そそくさとその店を退散したのである。

出た後もしばらく串カツの山が目を離れず後味も悪く、そのまま家に帰る気にならずももう一軒以前からひいきにしている立飲み屋は寄ることにした。

(その2)お札を触ったあと手も洗わないで刺身を切る店主

その店はこの食堂街でも五指に入るほどの人気店で、わずか「300円」で新鮮な刺身を出すことで評判の店だった。

案の定店は込んでおり、客はみな譲り合って斜め向きのスタイルで飲んでいた。

でもそれはいつものこと、私は間に割り込ましてもらうとさっそくビールとこの店自慢の刺身2品を注文した。

その刺身は300円とは思えないほど部厚い切り身が4切れもあった。

先ほどの店の口直しと私は出てきた「はまちの刺身」に舌鼓を打った。

ところがである。

その店は店主の他にもう一人女性の店員がいて勘定の際小さい小銭のお釣りの時は女店員が担当し、大きな紙幣のお釣の際は店主が担当していた。

そしてまたその店は客の注文を聞いてから刺身を作るスタイルをとっていたが、ちょうど私が注文した2品目のタコのつくりを出す前だった。

店主は客から1万円を受け取って数千円のお釣を返し終わったところであった。

偶然そのやりとりを見ていた私は、数枚の札を手にした店主が当然すぐ目の前にある水道の蛇口で手を洗ってからタコの切り身に取り掛かるもとの思っていた。

ところがである。店主は手を洗う気配はまったく見せず何枚ものお札を触ったその手ですぐタコと包丁を掴むではないか。この「衛生観念の欠如」に私はすっかり驚いてしまった。

お札といえば人の手をまわりまわっていてどんな「ばい菌」がついているかわからないもの。

当然手を洗って取り掛かるのは料理人としてごく当たり前のことである。だがこの店の主人はその鉄則を破っているのである。

この光景を見て私はまたしても食欲を失い、「すみません急用を思い出しました。タコキャンセルしてもいいですか」と言って早々に店を後にした。

その日以来その食堂街に行くことはあってもあの2軒の店には2度と行く気がしないのである。

余談だが、過日ブログのネットサーフィンをしているとき偶然あの時の1店目の串カツ屋の山のような売れ残りの串カツの写真が載ったその店のことを皮肉るブログを見た。

その記事を見たのがきっかけでこのブログを書く気になったのである。

やはり私と同じ思いの人はいたようだ。

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