2011年5月20日金曜日

「福島原子力発電所」命をかけてこの給料・下請け労働者の驚くべき低賃金

原発作業員募集広告
福島原発
上にあるのは福島原発の下請け労働者の募集広告である。

ごく最近のものだが、その詳細は次のようなものである。

福島原発の求人募集要項
募集職種 作業員(福島第1・第2原発)
雇用形態 正社員以外
仕事内容 *原子力発電所内の定期検査・機械・電気・鍛冶溶接及び足場作業
給与 日給9,000円〜11,000円a 基本給(月額平均)又は時間額189,000円〜231,000円
b 定額的に支払われる手当
a + b 189,000円〜231,000円
c その他の手当等付記事項
皆勤手当 8,000円
募集年齢 不問
応募資格スキル・経験 不問
学歴不問
年齢不問
通勤手当あり
各種保険あり
マイカー通勤可能
通勤手当 支給なし

この募集広告を見て驚くのはその賃金の低さである。

これでは一般的な他の職種のパート社員の賃金と少しも変わらないではないか。

しかもこれは今回の東日本大地震で注目されているあの福島原発作業員の募集広告なのである。

放射性物質漏れで国民に大きな不安を与えているあの原子力発電所で働く人を募集なのである。

この放射性物質の影響を受ける可能性があるかもしれない危険極まりない職場の作業員に対する

この待遇の悪さはいったいどういうことなのであろうか。

聞くところによると、事業主である東京電力からはこの作業員に払われる賃金としては、この募集

広告の金額の数倍が出されていると言われている。

ところが中に人材派遣業者が5段階以上も介在していて、その多くをそれらの業者が中間で搾取しているのだという。

一般的に言って2段階ぐらいだとあり得る業者の介在だが、5段階以上も介入があるというのは異
常なことではないだろうか。

まあそれぐらい人が集まりにくい職種であるからなのでもあろうか。

雇用主である東電もそうしたことを考慮した上での、多額の費用を業者に向けて払っているのであろうか。


人が集まりにくいと言う点では納得できることが一つある。

以前私は、姫路市のある居酒屋で偶然一人の原発下請け作業員をしている中年の男性と知り合った。

その人は福島の原発で働いていると告げたあと、休みは今日までで、また明日は職場に戻るのだと話していた。

その時は原発での仕事ということだけが印象として強く残り、兵庫県の姫路からはるばる東北の地まで出向いていくということには気が及ばなかった。

しかもまたその翌日にも偶然に駅に方に向かって大きなバッグをさげて歩いて行くその人の姿を見かけたのだ、

そしてその時その人の姿を見て、兵庫県という広範囲地域に及ぶまでを募集対象に広げなければ人が見つからないほどの危険な職場であるということにその時フト気づいたのである。

その人はつけ加えて話していたではないか「今度帰れるのは正月休みだ」と。

その人の話を聞いた時は大きな危険の伴う原発で働くということは、さぞ高給に恵まれているのだろうと想像していた。

だが今回の募集広告を見てそれがまったくの勘違いであることに気づいた。

しかし最近報道された東電の社長の年収7200万円という莫大な金額に比べ、この作業員の待遇のなんという落差あろうか。

これは決して放置することはできない大きな問題である。

なぜならばこの問題には社長の給料に見るような潤沢な利益を上げていて、業者には多く金を払っておきながら、いたずらに中間に多くの業者を介在させ、作業員の賃金を安くおさえ、それによりさも危険などない普通の仕事と同じような職種であり、したがって賃金も似通ったものであると思わすための偽りとも思えるある種に悪意を感じるからである。

この危険な仕事に人を当てるには無理がある

でもこれは難しい問題でもある。

いたずらに賃金を上げると今度は逆に危険な仕事であると言うことを証明することにもなり、今以上に人は集まりにくくなることもあり得ると考えられるからである。

いずれにしても今回の福島原発の事故で大きくクローズアップされたいま、この職種に人を当てること自体もう無理なのではなかろうか。

早急に高性能ロボットなどを開発し、それに代替させる道を探るべきなのではないだろうか

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