2012年1月1日日曜日

スーパーで大きな鯛が一匹500円!・ ”腐っても鯛”はいまや死語になったのか


尾頭付きと言えば鯛の代名詞とも言っていい。

今でも大切なお祝い事には欠かせない魚であるのだが、

かつては高級魚の名をほしいままにしていたこの魚も、今ではだいぶ様子が変わってきたようである。

先日など、あるスーパーの店頭で色のいい30センチ近くある、かなり大きなものが、なんと1匹500円で売られているではないか。

まさか一桁間違っているのではないかと、値段を見直したが、何度見ても0は二つしかついていない。

たぶん養殖モノなのだろうが、まるでサンマかなんかのようなこの安値に、いったいどういうことなのだろうかと、しばらくはポカンとその鯛に見とれていた。

聞くところによれば、魚が安くて有名な東京のアメ横では、なんと鯛2匹を500円で売っているところさえあるそうだ。

以前だと高級魚を象徴するような「腐っても鯛」という諺も、人々の口によく上ったものだが、いまそんなことを言うと笑われそうだ。

時代の変遷とともに言葉も死語と化すものが多いが、"腐っても鯛"もまさにその一つであるに違いない。

不思議なもので、人というものは値段が高いがゆえに、その品物に高級な価値観を見出すもので、そうした観点から言えば、値段が大幅に下がった最近の鯛には、もはや高級魚としての価値を見出すことはできないのだろうか。

タンパクだが、あの上品であっさりとした味は、なかなか捨てがたいとろろがあると思うのだが。

その鯛に代わって、いま王座に君臨する魚といえば、「マグロ」なのか、あるいは「ヒラメ」であろうか。それとも冬いちばんの味覚「フグ」だろうか。

いずれも昨今の代表的な高級魚だが、この先これらの魚が、少しでも庶民の手に届きやすいような、お手ごろな値段になってくれることを望むばかりである。

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