2012年4月6日金曜日

日本人海外事件簿(その3) ・ スリ、置き引き 編


今も残る古典的な手口 ・ ケチャップスリ、コイン落とし、道案内スリ

ニューヨークの活気のある市場を歩いていたKさん。

ホットドッグを食べながら歩いてきた男性がぶつかってきて、服にケチャップがついた。

その男性は恐縮しながらKさんのジャケットについたケチャップを一生懸命拭き取った。

財布がすられていることには、その男性と別れた後で気がついた。


パリのショッピングモールを歩いていたSさん。

前を歩いている女性が何枚ものコインを落とした。

周りを歩いていた人がコインを拾うのを手伝い、気の毒に思ったSさんも、持っていたカバンを置いて一緒になって手伝った。

拾い終えたコインを女性に手渡した後、ふと気がつくと、パスポートや持病の薬が入ったカバンが消えていた。

Sさんは、「あなたの仲間が盗んだのではないか」と問いつめたが、その女性は、気の毒そうな顔をしつつも「自分は関係ない」と言って立ち去った。


多くの観光客で賑わうローマの観光スポットを歩いていたTさん。

観光客らしきカップルから、Tさんの持つ地図を見せて欲しいと頼まれた。

そのカップルは、目的地になかなかたどり着けないというので、持っていた荷物を足下に置いて、両手で地図を開きながら、目的地への行き方を一緒になって考えていると、通りすがりの男が突然Tさんの荷物を持って走り去った。

道を尋ねてきたカップルがその男を追いかけ、Tさんも荷物に航空券が入っていたので必死になって追ったが、行く手を人に遮られ、ついに見失った。

そして、いつの間にかそのカップルも消えていた。

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これらの犯罪手口は古くからあるものだが、日本人旅行者の被害が跡を絶たない。

古典的な手口と言っても、旅行者自身がその存在を知らなければ対策を講じることもできないし、心構えもむりである。

海外安全ホームページの各国別・安全対策基礎データや各日本大使館・総領事館のホームページには、その土地で多くの日本人が被害に遭う犯罪手口やその対策を掲載している。

「たかがスリ」、「自分だけは絶対大丈夫」と思い込んだり、「面倒くさいから私は結構」と考える前に、こういった被害に遭って現金やカード、パスポートがなくなったときのことを是非想像してみてほしい。

どうやって旅行を続けたらいいだろうか?

犯人が捕まることは稀で、盗まれた現金や貴重品はまず戻ってこない。

また、盗まれたパスポートや航空券の代わりがすぐに入手できるとは限らないので、旅行の日程を変えざるを得ないこともあるし、場合によっては旅行を中止し、帰国しなければならないこともあり得る。

せっかくの海外旅行だから、トラブルに遭って旅行が台なしにならないよう、少し面倒でも行き先でよく発生している犯罪の手口を知って、万全の対策と心構えで楽しい旅行にしてほしい。
それでは良いご旅行を! 日本外務省より

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