2013年8月29日木曜日

売れない弁護士は救急車を追え! ・ 弁護士のための米国式顧客獲得法


売れない弁護士は演技力を磨き、いつも救急車のサイレンに気をつける

最近の朝日新聞に仕事がない弁護士のことが書いたあった。


確か日本各地の多く大学に法科大学院が設置されたころから、急にクローズアップされてきたのが仕事のない若手弁護士の急増問題である。


でも弁護士の数が増えてきたといってもまだ3万4000人程度で、100万人を越えているというアメリカの数十分の1でしかない。

もっとも米国では司法書士や行政書士なども弁護士数に含まれているので単純に比較できない部分もある。


それにしても人口比では3万4千人が多く過ぎるということでもないだろう。


だからこそ国は法科大学院を増やして弁護士の数を増やそうとしたのだ。


しかしその目論見には反して、弁護士の数が増えたのはいいのだが、せっかく司法試験に合格してはれて弁護士になったのに、仕事がさっぱりないのである。


弁護士の仕事といえば裁判の数に左右されるのだが、その裁判の件数はこのところ少しも増えてはいないのである。


そのせいで経験の少ない若手弁護士まで仕事が廻ってこないのである。


しかし考えてみればどの世界でも売れない人種はいる。

売れない役者、売れない作家、売れない歌手、売れない野球選手、などなど、世の中にはプロといえども売れない人はわんさといるのである。


したがって売れなければ売れるように努力しなければいけない。


もう随分前に出た本だが「訴訟社会アメリカ・中公新書」によれば、米国の売れない弁護士が顧客獲得のためにやっていることが二つある。


その一つは演技力を磨くために俳優養成所に通うこと、そしてもうひとつはいつも身構えていて、救急車のサイレンがなるとすぐ後を追っかけるのだという。


つまり演技力は法廷で争うための弁護士にとって必須の技術であり、また救急車を追っかけると、その行くつく先には必ず何らかの事件が待っているからなのである。


ちなみに米国ではこうして救急車の後を追っかける弁護士のことを”アンビュランスチェイサー”(ambulance chaser)と呼んでいる。

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若手弁護士 仕事足りない、就活難航 借金の返済も進まず

 若い弁護士が借金や就職難、仕事不足に苦しんでいる。裁判の数は増えていないのに、 
司法制度改革で弁護士数が急増しているからだ。

愛知県弁護士会は、そんな若手へのサポートを充実させようと、
専門性を高める手ほどきや経済的な後押しといった支援策について 話し合う協議会を発足させた。 

経験不足、借金減らず 

 昨年12月に弁護士になった名古屋市の男性(28)は6月末、勤めていた事務所を 
退職した。出産間近の妻(31)を実家に戻し、自らも両親の家に移った。 

 多くの新人弁護士と同じく、昨冬、事務所に就職した。仕事をあてがわれ、能力を養い、 
人脈を広げるつもりだった。しかし、休みなく深夜1時、2時まで働く日々。

4月には心療内科で業務過多による適応障害と診断された。 

 転職を考えたが、借金があった。法科大学院時代の約300万円に加え、司法修習時の 
生活費約300万円。

国が司法修習生の給与を支払っていた「給費制」から、
修習生に 生活費を貸し付ける「貸与制」に変わったためで、返済が全く進んでいなかった。

「弁護士 を諦めるには、これまでかけてきた時間とお金があまりにも膨大すぎる」 
 
大学生のとき、足利事件などの冤罪(えんざい)事件について学んだ。「国家による 
人権侵害の最たるものだ」と感じ、冤罪で困っている人を救いたくて、弁護士を目指した。 

だが、実際には手弁当でやりたい仕事をする余裕はなかった。 

 事務所を辞めて、新たに就職活動をした。法科大学院時代までさかのぼってあらゆる 
人脈を頼り、なんとか2カ月間かかって弁護士での就職先を見つけたが、一時は長女を出産 
したばかりで里帰りしていた妻と、再び一緒に暮らせるかどうかもわからない状況に陥った。 

「不安で仕方なかった。弁護士が増えるなか、ベテランの先生たちも必死に仕事を探して 
いる。経験の浅い自分が独立しても到底やっていけない。

依頼者も、借金を背負った経験の 浅い弁護士に任せたいとは思わないでしょう」と自嘲気味に語った。 


朝日新聞デジタル 2013年8月25日

2013年8月27日火曜日

やっと”熱帯夜が止まった”と思ったら ・ 突然秋の虫が鳴き始めた


それは8月24日の夜だった

まさかこんなに急に秋の虫が鳴き始めるとは思ってもみなかった。なぜなら前日まで20日間近くも35度以上の猛暑日が続いていて、それに伴って寝苦しい熱帯夜がずっと続いていたからだ。


それがたった一夜後の次の日には一転して涼しくなり、それまでの熱い夜がピタリと止まった。


すると”待ってました”とばかり、まるでそれにあわせたかのように秋の虫が一斉に鳴き始めたのである。


これはまったく思いがけないことであった。


虫が鳴き始めたのは暗くなって間もない8時ごろである。


リーン、リーンと響く思いがけない音に、”虫が鳴いている”とは思ったものの、「あれってひよっとして秋の虫?」と疑ってかかかるほど不思議な思いだった。


それもそうだろう、前の日まではうだるような熱帯夜で、わずか一夜明けただけの次の夜の出来事とはとうてい思えなかったからである。


でも何度聞いても、紛れなく毎年この時期に聞く秋の虫の音に違いなかった。


それは昼間のセミの鳴き声とは対照的な、随分涼しげな音であった。


しかし虫は正直だ。もしかして熱帯夜の昨夜までは、今か今かと鳴き始めるタイミングを測っていたのだろうか。


でもあれだけ暑さは続けば、8月の末とはいえ、なかなか出る幕がなかったのだろう。


それが1日たっただけで一転して涼風が吹いてきて、ここぞとばかり鳴き声を発し始めたのであろうか。


しかしいつ聞いても秋の虫の音色は良いものだ。これこそ秋の訪れをはっきり知らせてくれるものではないか。


でもまだ8月は数日残っている。また熱さがぶり返して鳴くのを止めるかもしれない。


そう思って翌日が訪れるのはを心配したが、次の日曜日の夜も、その次の月曜日の夜も、前の日より長い時間鳴いていた。


これだと間もなく本格的な秋の訪れがあることを期待しても良いのではないだろうか。


とにかく今年の猛暑にはまいってしまった。7月生まれの私としては、どちらかといえば夏は嫌いな方ではないのだが、今年だけはそうとも言えない。


いま夏と冬どちらが好きですか?と問われれば、これまでと違って「冬」と答えるかもしれない。


そうならないためにも、どうか秋の虫が、明日もあさっても鳴いてくれますように。

2013年8月26日月曜日

米ニューズウィーク誌が伝える驚くべき事実 ・ バーに銃を持ち込める法律に異議あり!


既に少なくとも6州が、酒場に銃を持ち込むことを認めているが、どう考えても常軌を逸した考えだ

天下の悪法 見ただけで危ない酒と銃の取り合わせだが 


 共和党州議員が多い米ノースカロライナ州で先月末、とんでもない法律が可決された。バーの経営者が禁止しなければ、護身のために銃をバーに持ち込める法律だ。


 どう見ても悪い考えのようにしか思えない。常識的に考えても、また科学的な研究が証明するように、アルコールは銃使用時の精度と判断力を損なう。酔っぱらいがひしめく環境は危険でしかない。


 カリフォルニア大学デービス校の調査では、大酒飲みは銃所有率が高く、銃による死亡事件の約3分の1がアルコール絡みだ。


学術誌「刑事司法と犯罪行動」に最近掲載された報告でも、衝動殺人を犯した93%に薬物やアルコール乱用の経歴がある。


 バーへの銃持ち込みを許可する州は、ノースカロライナが初めてではない。09年にテネシー州が、以降、少なくとも6州が後に続いている。


 とはいえ悲観的なニュースばかりでもない。バージニア州では銃を許可する法律を導入してから1年で、バーでの発砲事件が約5%減少したことが地元紙の調べで分かった。


この調査対象範囲は狭いが、ノースカロライナの酒場でも必ずしも「血の海」にはならないかもしれない。


 それでも酒がある場所で銃の携帯を許可するのはいただけない。


ノースカロライナのマクロリー州知事は同法案に署名するだろうが、同州ウィンストン・セーラムのジョインズ市長の言葉を心に留めておくべきだ。「銃とアルコールは相性がよくない」


ニューズウィーク日本語版 2013年8月21日 
キアラ・マッカーシー

これは驚き!スイスにこんなものが ・ 売春ドライブイン「セックスボックス」登場、チューリヒ

      
【8月19日 AFP】

スイスのチューリヒ(Zurich)市当局は15日、売春専用のドライブイン「セックスボックス」を公開した。


売春婦が客を取る新たな場として昨年、住民投票で設置が決まったもので、26日に記念式典を行い正式オープンする。市は、売春婦の実態管理に役立つと説明している。


 市西部の旧工業地域に設置された「セックスボックス」は、扉がなく板で仕切られただけの車庫のような形状の区画が9つ並んでいる。利用可能な時間帯は、毎日午後7時~翌朝5時。


 ドライブスルー形式のファストフード店舗と同様に、車に乗ったまま敷地に入り、標示に従って進む。車内にいるのが運転手1人だけでないと、敷地に入るゲートは開かない仕組みになっている。


道路脇には最大40人の売春婦が待機しており、値段交渉で合意に至ればその売春婦を連れて9つある「ボックス」の1つに車ごと入り、性交渉ができる。


「ボックス」内には、売春婦が身の危険を感じたら警察に緊急通報できるよう警報機が付いている。


路上セックスに住民うんざり

 スイスでは売春は合法で、国の人口の4分の1に相当する180万人が住むチューリヒにも公認の赤線地区がある。


だが市内の路上、特に川沿いのジールカイ(Sihlquai)で売春婦と客が「励む」姿にうんざりした地元住民らの不満が募り、市は売春婦たちの拠点を移転させることを決めた。


 市はまた、今回の措置は売春婦たちの身の安全を保障するためでもあると説明。犯罪組織による人身売買を防止し、違法な地下売春行為も削減できると述べている。


「セックスボックス」設置に要した費用は210万スイスフラン(約2億2100万円)で、住民投票で認められた予算の範囲内に収まった。


運営費は年間70万スイスフラン(約7400万円)程度と見込まれている。(c)AFP


2013年08月19日 17:13 発信地:チューリヒ/スイス
AFPびっくりニュース より

2013年8月24日土曜日

あなたのウェブサイトを買いたい人がいる ・ ご存知ですか?サイト売買というネットビジネス


昨年の9月末から10月にかけてこのブログに「百花繚乱!ネットビジネスはどこへ行く」という3回シリーズの記事を載せた。http://tuneoo.blogspot.jp/2012/10/blog-post_5.html

その記事にも書いたのだが、最近よく耳にするようになったネットビジネスの一つにサイト売買というものがある。


サイト売買、つまりネット上のウェブサイトを売り買いすることである。


もっと平たく言えば企業や個人のホームページやブログなどあらゆるネット上のサイトが売買の対象になるのである。


とは言え、どんなサイトでも売買されるかといえば決してそうでもない。


対象になるのはアクセスの多い注目を集めている人気サイトである。


具体的に言えば実用価値のある情報サイトや会員数の多い投稿サイト、あるいは売上の多いネットショップサイトなどである。


参考までにネットに載っているあるサイト売買のページでは売買の対象になる次のような人気サイトが並んでいる。


ご覧になれば分かるとおり、この中には売却希望額が1150万円という高額なものさえある。


単なるインターネットのサイトがこれだけの金額で売り買いされる時代なのである。


これこそまさに究極のネットビジネスであると言ってもいいのではないだろうか。 

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サイト売買・人気ウェブサイト

●アニメコスプレ・イベント用衣装のECサイト 3サイトセット

売却希望額 600,000円
128,292PV

●海外の腕時計・自転車のECサイト 2サイトセット

売却希望額 1,500,000円
38,192PV 

●bTwitter向けツール

売却希望額 5,000,000円
64,000,000PV

●会員35万人 デコメ投稿サイト

売却希望額 11,500,000円
16,754,176PV





2013年8月22日木曜日

キレる高齢者が急増しているという ・ 週刊朝日の記事は本当だろうか?


わが国3000万人余の高齢者は心しなければならない

このところの週刊朝日は、内容的にはレベルが低下して以前ほど注目されなくなっているが、今回のこの記事に関しては久々に拍手をおくってもいいのではないだろうか。


タイトルもなかなかインパクトがあり迫力満点である。


では中身の方はどうかといえば、これもタイトルに負けないほどの充実ぶりである。


第一に取材がよくできており、数値なども正確でいい加減なところがない。これがこの記事を説得力のあるものにしているのではないだろうか。


最初にタイトルを見たときは、「それって本当?」とか「最近の事例だけ見てオーバーに書いているだけではないの?」などという一抹の疑念を抱いていた。



でも読み進めていくうちに、そうでもないことが次第に分かってきた。具体的な事例をデータで説明する点に非常に説得力があるからだ。


したがって読み始める前に感じた疑念もすっかり消えて、読み続けるほどに次第に納得する点が多くなっていくのである。


でも納得した以上はこの記事を真実のjこととして認めることになる。したがってこれが本当だとすると、高齢者はじっとしては居られなくなるのではないだろうか。


つまりまず第一に、世の高齢者のすべてが、このことをしっかりと心しなければならないのだ。


要するに<自分が年齢的に切れやすい状態にある>ということをしっかり認識する必要があるのだ。

その上に立って、常日頃から行動に注意して、人との接し方には万全の注意をはらって臨まなければならないのではあるまいか。


特に下の記事の3行目からの「年をとると、脳の前頭葉という部分が縮み、感情の抑制機能が低下する」という事実をしっかり認識し、毎日の生活に臨まなければならないのではあるまいか。

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暴走老人、殴る、刺す、燃やす キレる高齢者、なぜ増える?

 山口・5人連続殺人・放火事件で63歳の男が逮捕された。小さな集落の特殊な犯罪ではあるが、この20年間で65歳以上の暴力事件は50倍にふくれあがっている。

殺人、放火、暴行とキレる高齢者はなぜ増えているのか。「年をとると、脳の前頭葉という部分が縮み、感情の抑制機能が低下する」という医学的な指摘から、社会的な孤立まで、暴走老人を生み出す条件を、山口の事件とともに分析する。

◇第1章 急増!暴走する団塊世代&老人の兆候 暴力事件は20年前の50倍
◇第2章 平成の「八つ墓村事件」63歳男の全情報 限界集落の惨劇 山口・5人連続殺人、放火

第1章 急増!暴走する団塊世代&老人の兆候 暴力事件は20年前の50倍

 まず、次の表を見てほしい。昨年10月に日本刀で近隣住民の女性を切りつけて殺した86歳の男性をはじめ、全国で次々と高齢者が殺人、放火、暴行、傷害などの犯罪を起こしていることがわかる。

 法務省が発表した平成24年版の犯罪白書によれば、高齢者の犯罪は、最近20年間で著しく増加。

 罪名別データがある65歳以上の統計では、暴行罪が1992年の49・5倍、傷害罪が8・7倍も増えている。

 これは、単に高齢者の数が増えたから犯罪も増えたという単純な問題ではない。なぜなら高齢者犯罪の増加率は、高齢者人口の増加率をはるかに上回っているからだ。

 では、いったいなぜ、高齢者の犯罪が最近、目立って増えているのだろうか。

 「経済格差による貧困や、福祉制度の欠陥が原因とも考えられますが、それだけが問題ではありません」

 そう指摘するのは、高齢者犯罪を研究する慶応大学の太田達也教授だ。

 太田教授は、その原因には「社会的孤立」が関係しているとの仮説を立て、こう解説する。

 「平成に入ってからの家族構成は、単身世帯と夫婦2人世帯が急増しており、子どもとの関係が希薄になっています。これが社会的孤立を招く一つの要因です」

 興味深い調査がある。

 内閣府が子どもと別居している60歳以上の高齢者に「子どもとの接触頻度」を調査したところ、「ほとんど接触がない」と答えたのは2・6%と低い数値だった。

 だが、太田教授が警察庁と協力して、高齢犯罪者1万人を対象に同じ調査をしたところ、強盗犯の63%、詐欺犯の60%、殺人犯の43%が「ほとんど子どもと接触がない」と回答する調査結果が出たという。

 「つまり、気を配ってくれる人間が周囲におらず、孤立してしまうことが高齢者を犯罪へ走らせる要因の一つと言えるのではないでしょうか」(太田教授)

 今回の山口県で起きた5人連続殺人・放火事件も、保見容疑者の社会的孤立が指摘されている。

 いっぽう犯罪が増える要因には、脳機能の低下が影響しているという見方もある・・・


2013年08月09日 (7000文字) 週刊朝日

2013年8月20日火曜日

高校野球 今年のヒーローはこの選手 ・ 小さな巨人、花巻東 千葉選手

高校野球 昨年のヒーローはなんと言っても三振奪取で新記録を打ち立てた桐光学園の松井投手であった。

では今年はどうだろう。あの松井選手に匹敵するような球児は果たしているだろうか。


ズバリ、今年もすばらしいヒーローがいるのだ。それは花巻東高の千葉選手である。

彼こそがあの松井投手にも勝るとも劣らないほどのすばらしい才能を持った選手なのだ。


8月19日の試合のテレビ中継を見た人は多いと思うが、あのファウルを打つ巧みな技術は見ていて舌を巻いてしまうほどである。


よくもあれだけ巧みにファウルを打ち続けられるものだ。


ファウルを打つためだけの特別な練習を繰り返してきたそうだが、練習すれば誰もがああいう風になれるものでもないだろう。


千葉選手の場合は練習以前に鋭い選球眼とバットにボールを当てる卓越した技術を備えていたに違いない。


それに人一倍の練習で神業とも言ってもいいほどのあれほど優れて技術を完成させたのだろう。


昨日の試合を見ていて、「早くこないかなあ」と、2番バッターである彼の打順がめぐってくるのを待ち遠しく思っていた人は多いのではないだろうか。

きっと明日も彼の勇姿を見るためにテレビの前に座る人は多いだろう。

以下は読売新聞の記事である。

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1m56の花巻東・千葉、5打席で1安打4四球

 花巻東5―4鳴門(準々決勝=19日)

 相手にとって嫌な存在は、味方を勇気づけるヒーローになる。花巻東の2番千葉は、投手にダメージを与えることに小さな体の活路を見いだした。

 一回、1メートル56の体をさらに小さく折りたたんだ。鳴門のエース板東に追い込まれながらも、そこから7球続けて執拗しつようにカット。13球目の高めのボール球を見送った。次打者への投球が甘くなることを狙った作戦だ。

 「出塁して中軸につなげることだけ考えた」と千葉。八回、ここでもフルカウントから2球粘った末に四球を選んだ。

捕手の日下がマウンドに駆け寄るのを見て、してやったりとばかりにガッツポーズ。その勢いが、多々野、山下、茂木の3連続適時打を呼び込み、鳴門をのみ込んだ。

 小さな体でチームに貢献する方法として、三塁側にカットする技術を磨きあげてきた。5打席で1安打4四球と全打席出塁。板東が投げた163球のうち、1人で約4分の1にあたる41球を費やさせた。

 「本塁打が打てる打者がうらやましいけど、小さいなりに相手にダメージは与えられるんです」。

六回の四球出塁後には岸里が先制2ランを放っている。花巻東が演じる〈ドラマ〉には、役者がそろっている。(上田真央)

(2013年8月20日08時45分  読売新聞)

2013年8月17日土曜日

高校野球 1塁でのヘッドスライディングは見苦しい ・ 禁止したほうがいいのでは? 

アウトになるのになぜヘッドスライディングをするのだろうか

毎年のことだが、8月の楽しみはなんと言っても高校野球である。


40度を越えるところも出たというとてつもない今年の猛暑の中、甲子園球場では連日熱戦が繰り広げられている。


こんな暑さなのに観客数は去年よりうんと多いのだという。


球児たちの”暑さ何するものぞ”という気持ちに、応援する人々も決して負けていないのだ。


そんな中、今年の試合で特に目につくことがある。それはホームランの多さだろうか、それとも1点も許さない好投手の多さだろうか?


もちろんそのどちらもよく目につく。それだけに今年の試合はおもしろい。


だが本日のテーマはそれではない。本日書くことは、もうひとつ別によく目につくことで、どちらかと言うとあまり感心できないことについてである。


それは走者の1塁でのヘッドスライディングである。今年はやけにこれがよく目につくのだ。


地方予選の時からその多さが気にかかっていた。でも甲子園へ出場するようなレベルの高いチームは1塁でヘッドスライディングはあまりしないだろうと思っていた。


でもその予想は当たらなかった。次々に出てくるどのチームも1塁でのヘッドスライディングを繰り返しているのである。


中にはやらないチームもあるだろうと思って見ていても、なかなかそういうチームが出てこない。


いったい今年のヘッドスライディングの多いのはどうしたことだろう。


頭から滑り込んで、ユニフォームの前面を真っ黒に汚した選手をどれだけ沢山見ただろうか。


それにしても雨の降った後でもないのに、どうしてユニホームがあんなに真っ黒になるのだろうか。


甲子園の土の種類のせいなのだろうか。


黒く染まったユニフォームは実に見苦しい。ユニフォームは真っ白で胸のマークや文字がはっきりわかるのがいい。


泥んこになってしまったのでは見苦しいだけでなくそれさえ見えなくなる。


おまけにヘッドスライディングした選手でセーフになった選手はほとんどなく、ことごとくがアウトの宣告を受けている。これではなにもいいことはないではないか。


いったい何のためのヘッドスライディングなのだ。


頭から滑り込むヘッドスライディングは危険な行為だ。


いつ怪我をしてもおかしくない。おまけに効果はほとんどない。でも多くの選手がこれを止めないのはいったいなぜなのだろうか。


ヘッドスライディング アメリカのアンパイヤーは必ずアウトにする

アメリカの野球ではヘッドスライディングは少ない。それは危険な上に、やってもアウトになることを選手がよく知っているからである。


アンパイヤーがヘッドスライディングを嫌っていて、判定する前からアウトと決めているからである。


したがって勇気を出して頭から滑り込んでも決してセーフにならないのである。


アメリカでは多くのアンパイヤーがヘッドスライディングを危険行為と考えているからなのだ。


聞くところによると日本でもプロ野球チームの日本ハムはヘッドスライディングを禁止しているという。


それは以前このチームを指揮していたヒルマン監督が過去の事故を教訓にして決めたことだという。


理由は事故だけでなく、ヘッドスライディングは駆け抜けるよりアウトになる確率が高いからだという。


したがって意味のない行為であると認めたのである。


ヒルマン監督といえば2003年に日本ハムの監督になり、3年後の2006年にはチームを日本一に導いた名監督である。


そのヒルマン監督が決めたとするともう10年ぐらい前のことになる。


でも日本の高校野球にはいまだにこれが伝わっていないのはいったいなぜなのだろうか。


いまだに監督も選手も、ヘッドスライディングをファイティングスピリッツの表れと考え、”良いこと”と認めているからなのだろうか。


こう考えてみてもよく分からない。


最後にもう1度言いたい。1塁でのヘッドスライディングは駆け抜けるよりスピードが遅くなるだけでなく、危険な上に極端にユニフォームを汚して見苦しさを与える行為である。ゆえに即刻禁止にすべきである。