2013年8月3日土曜日

シカゴはアメリカで最も危険な都市 ・ 暴力と貧困に壊れゆくシカゴ

 
米国は世界名だたる文明国であるが、その一方で黒人を初めとする多民族国家であるがゆえに先進国としては珍しいぐらい犯罪の多い国でもある。

その理由は多くの移民を擁する他民族国家であるだけでなく、銃規制が厳しくないため、国民の間に広く銃の所持が広がっており、それが犯罪の発生に拍車をかけているのである。

そんな米国に於いて、犯罪発生件数では長い間ニューヨークがトップを走っていた。それはハーレムという世界一の黒人居住区を抱えているのが一因となっていたのだ。

だがここ10年ぐらいの間、官民一体で犯罪撲滅に力を入れてきた結果、犯罪件数は一気に減少し、いまでは犯罪発生率米国ナンバーワンの汚名を完全に返上している。

それに変わってトップに出てきたのが全米第2の都市シカゴである。

このシカゴは、人口がニューヨークの3分の1程度にも関わらず、最近の犯罪件数はニューヨークを上回るほどなのである。

中でも最も凶悪な殺人事件を見てみると、最近では年間に500件以上も発生しており、件数ではニューヨークとほとんど変わらない。

だが人口を考えると、発生率はニューヨークの3倍にも達するほどの多さなのである。

以下は米誌「ニューズウイーク」に載った犯罪が多発する最近のシカゴについてのレポートである。

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全米で最も殺人事件の多都市、シカゴ

「残念だがシカゴは死にかけている。うわべはまともな社会に見えるかもしれないが、ダウンタウンから2ブロックも歩けばすぐに荒れ地にぶち当たる」。

シカゴのラッパー、ルーペ・フィアスコはそう語る。暴力によって崩壊しつつある街──それがシカゴだ。犯罪件数は増加を続け、昨年の殺人件数は506件と前年比16%増。

500件を超えたのは4年ぶりだ。人口270万人と全米第3位の大都市だが、殺人発生率ではトップを独走している。

 なかでも危険な場所として知られるサウスサイドはここ10年で激変した。

シカゴの大半を占め、ブルースやジャズの本場とされるこの地域では社会の崩壊が進み、住宅開発から取り残され、ドラッグが蔓延し、貧困地域も拡大している。

街を歩けば、荒れ果てた建物と路上にたむろする人々が至る所で目につく。

銃撃に巻き込まれて罪のない子供が亡くなる事件も相次ぎ、連邦政府は対策の強化を叫んでいる。だが今年に入ってからも、暴力事件は増加するばかりだ。

ニューズウイーク日本語版 2013年7月30日

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シカゴ市(人口約270万人)と東京都(人口約1,300万人)の比較

シカゴ

東京
殺人
513
117
強姦
1,381
178
強盗
13,447
565
1:東京都のデータは2012年のもの(出典:警視庁ホームページ)
2:東京都の殺人件数には未遂も含む(シカゴ市は含まない)

在留邦人向け安全の手引き (2013年改定) 在シカゴ日本国総領事館


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