2013年10月21日月曜日

”ネットビジネス”と粋がっても、在宅ウェブライターでは食っていけない


驚くような低報酬でライターを募集する業者はいったい何者なのか?

リタイア後の仕事としてライターを始めて1年が過ぎました。この間、数多くのライター募集業者(アフィリエイター)に接してきました。

そうした中で実際に契約書を交わすところまで進んで仕事の開始にまで至った業者はごく少数で、ほとんどは応募しても条件が合わずこちらからお断りしたり、相手から断られたりして、まとまるところまで行かないことが多いのです。

まあそれはいいとして、現在ライター募集の多くはインターネットのライター募集サイトなどで行われていますが、その募集件数たるや、驚くほど沢山あるのです。

ある大手の募集サイトには毎日新しい募集案件が入れ替わり立ちかわり所狭しと並んでいます。

その数たるや、まるで無尽蔵と言ってもいいほど多いのです。でも残念なことに内容については決して褒められたものでなく

まるで玉石混交状態とでも言えばよいのでしょうか、それとも”ピンからキリまで”というのが適切なのでしょうか、内容にはまるで一貫性や統一性がなく、条件などもバラバラ状態なのです。

それが一番よく現れているのが報酬の面です。これこそまるでピンからキリまでという表現がピッタリするような状態で、上下の差が著しくあるのです。

それだけではありません。そうした募集を見ていると、業者に対する次のような数々の疑問がわいてくるのです。


①<どんな人が何の目的でライターを募集しているのか>

いわゆるアフィリエイターと呼ばれる、ウェブサイトを運営したり、管理している人達がサイトへのアクセスを増やす目的で、記事のボリュームアップを図ったり、上質の記事を載せることなどによるSEO対策を講じることlで、検索ページ上位掲載を目指すためなのです。

でもその目的は良いとしても、今のような劣悪な条件で良い記事などが集まると思っているのでしょうか。それとも記事のボリュームさえ増えればいいと思っているのでしょうか。よく分かりません。


<どんなライターを期待しているのか>

ライター募集を見ていると多くのものは募集条件の敷居が極めて低くなっています。そうした中には例えば年齢が18歳以上であれば誰でもいいという印象を与えるものさえあります。

知識と技術の乏しいライターが書いた記事など、いったい誰が読むと言うのでしょうか。


③<低報酬でも良い記事が集まると思っているのか>

記事のボリュームを増やすには、何が何でも大量の記事を載せることです。そうした記事の調達には既存の記事をリライトしたものをたくさん集める方法があります。

リライトは一定のやり方さえ覚えれば別に文才などなくても誰にでもできます。いま圧倒的に多いのが、この手のライター募集であり、それゆえ質をあまり問わないため報酬が安いのではないでしょうか。


④<そもそもモノを書くとはどんなことなのか分かっているのか>

物を書くことはある面では”魂を削る作業”だとさえ言われています。そうして書いているからこそ読む人の心を打つのです。ライター募集業者はそんなことを考えたことがあるのでしょうか。


⑤<誰でもライターを勤められると思っているのか>

いわゆるブログと呼ばれるものがネット上にはゴマンと載っています。ところが読まれているものはごく僅かで、大半のものはほとんど見向きもされないアクセスの少ないものばかりなのです。

今すべてのブログの70%以上が1日のアクセスが30以下と言われています。。これでわかるように文章を書くことが好きな人達が書いたブログでも読まれるものは非常に少ないのです。したがって人に読んでもらうための記事が書けるライターは誰にでも務まるものではないのです。

⑥<安い報酬で募集すれば、その結果は自分に戻ってくることが分かっているのだろうか>

記事を募集する側の多くの人の目的はいわゆるSEO対策のためではないでしょうか。つまり自社のウェブサイトに多くの人を呼び込むために記事のボリュームアップをはかったり、記事の質を高めたりして検索で優位な立場でありたいためです。要するに検索サイトでのポジションを上げるためです。

でも、量は別として、安い報酬でライターを募集して、はたして質のいい記事など望めるでしょうか。はっきり言ってそれは無理です。集まるのはせいぜい他の記事をリライトしただけの質の低いもので、それほどSEO対策には役立たないのではないでしょうか。

要するに安い報酬でライターを募集したところで、ろくな記事が集まらないため、けっきょく悪い結果が自分に戻ってくるだけなのです。


⑦<本当のSEOの意味を知っているのであろうか>

SEOという用語が使われ始めて久しいのですが、いまだにこの言葉の意味を誤解している人は少ないのではないでしょうか。つまりこの言葉の意味を間違って捉えている人が多いということです。

もっとも日本語に訳したときの検索エンジン最適化(サーチエンジンオプテイィミゼーション)ということ自体が抽象的で分かりにくいことにも原因があります。その結果多くの人がSEOを誤解しているのです。つまりSEOとはからくりを使えばなんとかなると考えるのです。

分かりやすく言えば、記事の体裁に気をつけて、例えば見出しとか、リード分とか、結論から先にもってくる書き方とか、そうしたことに注意することだけをSEO対策だと思っているのではないでしょうか。

でもそれはSEOのごく一部でしかありません。要するにSEOとは簡単なことで、人をひきつけて読ませるのような、内容が良くて読んでためになり、しかも面白い記事を書くことなのです。


⑧<時間給換算でいくらになる、と書いてあるが、その金額はどうして割り出したのであろうか>

ライター募集記事を見ておかしくて仕方なく思うのは、報酬に関して時間給換算でいくらになると書いていることです。つまり時間給に直すと1200円とか1500円という風に書いているのです。

でもこれが実にいい加減なのです。例えば600文字が200円だとします。こんなとき時間給換算で1000円というふうに書いていたとすると、「いったい1時間に何記事書けばいいのかを分かって言っているのか」、と思えるからです。

600文字200円だと、時間給1000円にするためには200円の5倍、つまり3000文字の文章を書かなければならないのです。これは400字用の原稿用紙だと7.5枚にあたります。はたして考えながら書かなければいけない文章を、1時間に原稿用紙7.5枚も書けるでしょうか。

これは執筆が早いプロのライターでも無理なことではないのでしょうか。何も量だけこなすための書きなぐりをするわけではないのです。したがって時間給換算いくら、などと書いているライター募集記事はすべてインチキと言って間違いないのです。


⑨<ライターを育てる、などと言っているのは、搾取するための口実ではないのか>

年から年中いつも募集を繰り返しているある記事募集業者がいますが、その業者はライターを募集すると同時にライターを育てることを謳っています。

でもこの育てるということに、何か胡散臭さを感じます。というのはこの業者は報酬が安いことでよく知られている業者なのですが、要は報酬の安さをカムフラージュするための口実作りだと思えるからです。


⑩<何故ターゲットをあえて主婦にしぼろうとしているのか>

ライター募集では、そのターゲットを主婦にしているところが実に多いのですが、これはいったい何故なのでしょう。主婦に文章の上手な人が多いと思っているわけでもないでしょうが、なぜだか主婦にこだわっているようなのです。

でもその意味はちょっと考えればすぐ分かります。つまりターゲットをパートの主婦にすると、報酬が安くても口実が作りやすいからなのです。

つまり安いと言われたとき、「うちは主婦のパートがメインですからねえ」などと言って逃げやすいからなのです。

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