2013年12月12日木曜日

この本の内容を信じていいのだろうか? ・ 書評 「父親の知らない娘の真実」 黒羽幸宏著 双葉新書


図書館の新刊コーナーにあった本である。もしここで目にしなかったら、おそらく読もうとは思わない類の本だろう。


とにかく、タイトルに惹かれて読んでみることにした。別に年頃の娘を持つ父親でなくても、男性としては気になるタイトルである。


しかし読み続けていくと次第に空恐ろしくなってくる。もし書かれていることが真実だとすると、いったい世の親たちや教師たちは何をしているのだろう?と思えるような、今時の女子たちのすさましいほどの破廉恥ぶりが書かれている。


もしこれが本当なら心底恐ろしいことだとも思えてくる。でもさらに読み続けていくと、今度はこう思ってきた。


これは一般的なことでなく、特殊な層の女子だけを対象にして書いているのだと。いわゆるいつの時代でもいる不良少女(女子)の生態を書いているのである。


例えば今年広島で起った一人の専門学校の女性徒が、仲間からの集団リンチで殺された事件を取り上げていたが、あの事件などはどう見ても一般的な女子が起こすとは言えない特殊なものである。


そうしたことを、さもどこにでもある一般的な事件であるようなタッチで書いていることに疑問を感じた。


さらに疑問を深めたのが、この本の記事は、もとは「東スポ」という男性向け夕刊紙にシリーズとして載せられたものだということである。


ああした夕刊紙に載せられたものだけに、センセーショナルな記事のタッチに納得がいくのである。


したがってこれは男性読者の好奇心を煽るために書かれたエンターティンメント性の高い記事を集めた本なのである。


真面目に読んだのが馬鹿らしく思えたが、でも最近ではこういう本でも図書館に置くのだと、図書館の本の選定についての傾向の変化を知ることができた。


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(帯のキャッチコピー) マジか!と思っても目をそらしてはいけない。娘たちが生きる学校、SNS、恋愛…こんなに大変なことになっていた。

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目次 

第1章 娘たちのコミュニケーションツールSNS
第2章 いじめ問題を考える 
第3章 SNSとつながるリアルライフ 
第4章 娘たちの金銭事情 
第5章 恋愛&セックス  
第6章 娘とどう向き合うか/ 巻末座談会 娘たちの本音

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「父親の知らない娘の真実」
著者 黒羽幸宏
双葉新書 価格880円
2013年11月発行

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【著者紹介】

黒羽幸宏 : 1974年生まれ、神奈川県出身。テレビ番組制作会社を経て、94年から『週刊プレイボーイ』記者として15年以上活動。並行して各男性誌にも寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


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