2014年3月20日木曜日

この本がおもしろい!・ 書評 「さらば新宿赤マント」 椎名誠著 文芸春秋



何か小説のようなタイトルですが、実は小説ではなく著者が2年間に渡って「週間文春」に連載してきたエッセイ集なのです。


本のあとがきによりますと、このエッセイの連載を始めた当時、新宿の街をトラの面をかぶり、マントを着て自転車を颯爽と走らせていた新聞配りの人がいて

その姿がいかにもインパクトがあり強く印象に残ったので、なんとなく連載エッセイのタイトルにしたそうなのです。


連載期間は2011年5月~013年4月の丸2年で、エッセイの数は合計70篇にも及んでいます。


それだけに430ページといいう非常に分厚い本になっています。


でも文章が軽快で、そのうえユーモアに富んで箇所が随所に出てきて、テンポよく読み進めていくことができますから、分厚さは何の障害にもなりません。


著者は出版点数の多い作家としても有名で、実に毎年6冊のペース本を出し続けており、これまでに出版した数は223冊にも及んでいます。


これほど多くの本を出版している作家は珍しいのではないでしょうか。


著者自身も出版点数が多いことは認めており、そのため自分のことを"粗製濫造作家"であると、自らが揶揄しています。


「粗製濫造作家であるがゆえに、223冊もの本が出版できたのだ」とも言っています。


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この本に対する読者のコメント

(その1)
週刊文春で連載されていたエッセイ集の完結編。何気ない日常の出来事から、旅先でのあんなことやこんなこと、過去のヤンチャに妄想、SFまで縦横無尽に語られている。いつもながら椎名さんのユニークな視点と文章は楽しい。今回一番笑ったのはカーナビの話。旅の話は読む度旅行やキャンプをしたくなる。ああ、海辺の町に行って新鮮な魚介類が食べたい…。
ナイス! ★6 - コメント(0) - 1月18日



(その2)ほしくま
赤マント、とうとう最終回なんですね…。さみしい限り。読んでいて、いろんな本を読みたくなったり、旅に出たくなったり、考えさせられたり、ご本人は粗製濫造作家とおっしゃるけれど、面白かった。鮭の皮はカリカリにしたのがおいしいですよね!!
ナイス! ★2 - コメント(0) - 1月4日


(その3)横井 孝修
長年連載が続いた「新宿赤マント」シリーズも、ついにこの巻で完結してしまう。 内容は普段の椎名調でズンズン読み進められる。 沢野画伯の謎なイラストも健在。
ナイス! ★1 - コメント(0) - 2013年12月25日



(その4)にやり2世
ナローのイラストを見ると一瞬でヤル気が出る。文章を読んで、こまごましたイラストをじっくり見て、自分以外の視点で読んだときの解釈を味わって。こういう読み方ができる本はもっと出してほしい。
ナイス! ★1 - コメント(0) - 2013年12月6日



(その5)sugahata
20年以上,1000回超の連載長寿エッセイ「新宿赤マント」がついに終了。シーナも70近くに。自分も歳をとっているのだなあと思いつつ読了。一緒に世界の国々に旅し,日本のあちこちを廻り,バカ騒ぎに同化&うまい魚と麺,ビールに舌鼓という気分にさせてくれた。時には真面目主張にうなずき,時には暴言にスッキリなんてこともあったなあ。思えば,痛快・軽妙なストレス解消本であった。
ナイス! ★1 - コメント(0) - 2013年11月22日


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書 名  さらば新宿赤マント
著 者  椎名誠
出版社  文芸春秋
価 格  1750円+税
発行日  2013年10月10日


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