2014年4月17日木曜日

それでも中国には14万人もの日本人が住んでいる ・ 書評 「それでも私たちが中国に住む理由」 


中国主要都市の人口及び在住日本人数

                  
          人口       在住日本人数

北京市    1,961万人      10,360人

上海市    2,302万人      56,480人

天津市    1,294万人       2,630人

広州市    1,270万人       6,180人


                                      重慶市    2,885万人        360人
                                     (直轄市)

                                      蘇州市    1,047万人       7,330人

                                      深圳市    1,036万人       4,730人

                                      武漢市     979万人        540人

                                      青島市     872万人       2,120人

                                      杭州市     870万人       1,540人

                                      瀋陽市     811万人        770人

                                      南京市     800万人       1,060人

                                      昆明市     643万人        120人


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中国在住日本人108人が語る公平無私な中国人観

まず上の表を見てください。 この表は人口500万人以上の中国主要13都市の人口と、日本人在住者の数です。


現在中国には約14万人の日本人が在住していますが、この数字は2012年9月の尖閣問題に端を発したあの激しい反日デモが起った後で集計されたものですから、いまも変わらない数字と捉えてよいでしょう。


総人口が13億人を越える中国で、在住日本人の14万人という数が多いのか少ないのかは別にして

2012年の尖閣問題以来、史上最悪の日中関係を考えると、いまだにこれだけの日本人が中国に住んでいることは驚きですが、でもこれは紛れもない事実なのです。


この14万人の中から今回は108人の人々が選ばれて、この本に登場しています。つまりこの本は108人の日本人によって書かれたものなのです。


およそ外国や外国人について書かれた本に、これだけ多くの人が関わったものがかつてあったでしょうか。

私の記憶の範囲では思いつく書物はありません。


しかし108人もの日本人が一つの書物で中国や中国人について書いているということは、108の視点から眺めたものに違いないでしょうから、読者が中国や日中問題を考える材料としては、格好の資料になるのではないでしょうか。


なぜなら108人もの幅広い人々の考え方が分かるだけに、片寄っていない公平な判断が下せると考えられるからです。


尖閣問題勃発以来、日中関係は悪化の一途をたどっており、いま日本人の8割近くもの人が中国人を好ましく思っていません。


こうした人たちがそうなった原因は、おそらくメディアによる中国評を見聞きしての結果だと思います。


ところがこの本には同じ中国評でも、現地に長年住んでいて、公私にわたっていつも中国人と交わっている108人もの人々による中国人に対する評価が載っているのです。


したがって良きにつけ悪しきにつけ、これほど信頼に足る情報はおそらく他のどこにもないでしょう。


こうした人々の中国人に対する評価は、決してメディアが伝えるような険悪なものではなく、人としての思いやりや温かさをじゅうぶん伝えてくれています。


もしこの本を多くの人が読んだら、いま8割と言われている中国人を好ましく思わない人の数は、読んだ人の数だけと減るのではないでしょうか。


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この本の内容

第1章   あのデモがあった日

第2章   それでも「日本」が要る!

第3章   暮らしの中の「島」問題

第4章   日中の誤解を生むもの

第5章   「反日」下のビジネス
    
第6章   国境を越え伝える
   
第7章   隣人との未来へ


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 書 名  「それでも私たちが中国に住む理由」
 出版社  阪急コミュニケーションズ
 発行日  2013年9月8日
 価 格  1800円+税

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