2015年6月14日日曜日

いまどき日本をロボット大国と思っている人はオメデタイ



日本人はこのニュースを<衝撃的>と思わなければいけない!

ごく最近、新聞に気になるニュースが載っていました。

それはアメリカで行われた災害救助用のロボットのコンテストに関するものです。

このロボットコンテストは米国国防総省主催のもので、この種のコンテストとしては最大級と言っていいほど大掛かりなものでした。

それは1位の賞金<2億5千万円>という巨額ぶりを見てもよく分かります。

それほどの大会だけに、世界各国から23ものチームの参加があり、その結果が大いに注目されていました。

ロボット大国を自認するわが日本は4チームも送り込むという力の入れようでした。

当然優勝も視野に入れ、4チームとも上位入賞が期待されていました。

ところがです。結果は4チームとも惨敗してしまったのです。

惨敗も惨敗、4チームの中の最高成績が10位という恐ろしい結果に終わったのです。

それで優勝がどこかと言いますと、なんと韓国ではありませんか。

まさかロボット大国日本が、韓国にお株を奪われるとは誰が予想したでしょうか。

これまでメディアはわが国のロボットに関して、<世界最先端の技術を誇っている>とか<ロボット大国日本>とかという風に、まるで<日本のロボット技術は世界一>と思わせるほど喧伝していました。

それだけにロボットに限っては世界を一歩リードしている、と多くの人が思っていたのではないでしょうか。

これまで韓国のロボット技術が日本に迫っている、などというメディアの報道があったでしょうか。

おそらく皆無と言って良いのではないでしょうか。

思えば東日本大震災のときもそうでした。福島原発の災害現場で調査に当たったロボットはフランスなど外国のものばかりでした。

あのとき、<なぜ日本のロボットでないのか>、と疑問に思った人は多かったのではないでしょうか。

肝心なとき活躍できるロボットがないのに、なぜメディアはわが国のことを長い間、<ロボット大国>などと呼び続けたきたのでしょうか。

それが不思議でなりません。

最後に付け加えることがあります。日経はこのニュースについて当初は何も伝えていませんでした。

そのことをすごく不思議に思っていました。

それが一週間も遅い今日(6月14日)になって、やっと <災害ロボット、日本惨敗の衝撃>というタイトルで報じているのです。

タイトルからして大ニュースと認めているのに、報道が1週間も後になったのはいったいなぜなのでしょうか。

これも実ににミステリアスなことです。

以下はこの大会について真っ先に伝えた報道各社の記事です。


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災害ロボコン、ヒト型のお株を韓国に奪われた 日本勢最高10位
2015年6月7日20時15分 朝日新聞電子版

国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が主催し、米ロサンゼルス近郊で開かれていた災害対応ロボットの国際大会は6日、2日間の競技を終えた。23チームが参加、韓国チームが優勝し、賞金200万ドル(約2億5千万円)を獲得した。4チームが参加した日本勢は最高で10位にとどまった。


 優勝したのは韓国科学技術院のチーム。2本の足に車輪を組み合わせたハイブリッド型で、車の運転、バルブ操作、階段を上るなど八つの課題をすべてこなして完走し、タイムでも上回った。2位、3位には米国のチームが続いた。日本は課題を五つこなした産業技術総合研究所が最高で、東京大など他のチームは11位、14位と最下位。1チームは棄権した。

 大会は「災害時に人間とともに作業できるロボットの開発」が目的で、ほとんどのチームはヒト型ロボットを開発した。ホンダのASIMOなどで有名なヒト型は日本のお家芸とされ、一昨年の前回大会では日本のベンチャーが1位だったが、お株を奪われる形になった。4本足の軍事ロボットなどで知られる米ボストンダイナミクス社が開発したヒト型ロボットの提供を受け、独自の改良を加えて臨んだ米国チームが上位に並んだ。

 日本勢は、大会参加を課題にした経済産業省のプロジェクトが始まったのが昨夏。棄権した東大や千葉工大などの共同チームの代表、中村仁彦・東大教授は「準備が間に合わなかった」。国防総省の大会への参加の動機は「将来を見据えてヒト型の研究開発を一気に加速させる米国の狙いを感じた。乗り遅れないためには参加が避けられないと思った」と話した。(米ポモナ=嘉幡久敬)

朝日新聞電子版

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韓国ロボットが優勝 米競技会、技術力示す
がれきの上を歩く産業技術総合研究所のロボット「HRP2改」=6日、米カリフォルニア州ポモナ(共同)
 東京電力福島第1原発事故などを想定し、米カリフォルニア州で開かれた災害ロボット競技会の決勝戦は6日、韓国科学技術院チームのロボット「HUBO(ヒューボ)」が総合点で首位となり優勝した。200万ドル(約2億5千万円)が贈られる。
 米国やドイツの強豪が上位を占める中、韓国が技術力の高さを見せつけた。4チームが出場した日本は、産業技術総合研究所のロボット「HRP2改」が10位に入ったのが最高だった。東京大チームは11位。
 総合2位は米フロリダ州の研究機関IHMC。3位は米カーネギーメロン大のチームだった。
 多くのロボットが立ち往生した1年半前の予選と比べ、カートの運転やドリルを使って穴を開けるなどの難しい課題を次々にこなすハイレベルの戦いになった。(共同)
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賞金200万ドルの災害ロボット大会、韓国のヒューボが逆転優勝
2015年06月08日10時27分 
  KAISTのオ・ジュンホ教授研究チームが作った韓国のロボットが世界最強の災害対応ロボットの座に上がった。KAISTヒューマノイドロボット研究センターが開発したヒューマノイド(人間型ロボット)の「ヒューボ」がその主人公だ。

このロボットは5日から2日間にわたり米カリフォルニア州で開かれた米国防総省傘下の防衛高等研究計画局(DARPA)が実施したロボティックスチャレンジで総合優勝した。 

  この大会は日本の福島原子力発電所事故のような大型災害が発生した際に人の代わりに事故収拾を務めるロボットを開発するために用意された。

DARPAは▽自動車運転▽車から降りる▽ドアを開ける▽バルブを締める▽ドリルで壁に穴をあける▽険しい地形の突破▽階段を上がる――など8個の課題を最も速く終えたロボットに賞金200万ドルをかけた。

米航空宇宙局(NASA)など世界24チームが挑戦状を出し、韓国からはKAISTとソウル大学(ロボット名・トルマンSNU)、ロボット企業のロボティズ(ロボット名・トルマン)が参加した。 

  ヒューボは大会初日に壁に穴をあけるのに時間がかかり6位(7つの課題成功、46分4秒)にとどまった。だが、2日目には参加チームで最も速い44分28秒後に8つの課題をすべて終え逆転優勝に成功した。

2位はフロリダ大学人間機械研究所(IHMC)の「ランニングマン」、3位はカーネギーメロン大学の「タルタンレスキュー」となった。NASAの「ロボシミアン」は5位、MITの「ヘリオス」は6位、東京大学の「HRP2」は14位にとどまった。ソウル大学とロボティズはそれぞれ12位と15位を記録した。 

  ヒューボの“父親”であるオ・ジュンホ教授は、「今回の大会は完成されたロボットではなく完成まで行く段階を見せた大会だった。いまよりさらに完璧なロボットを作るのが目標だ」と所感を明らかにした。

オ教授は出国前に中央日報と行ったインタビューで、「ロボットは原子力発電所や戦場のような人が行けない所、医療現場などで切迫した人々のためにとても重要に使われるだろう。ロボット技術の発展は終わりがなく付加価値が大きい」と強調した。

オ教授は2004年に韓国初のヒューマノイドのヒューボを作った。その後人を乗せて歩く搭乗型ヒューボFX-1、最初のモデルに比べはるかに軽く速くなったヒューボ2など多様なモデルを開発した。今回の大会に参加したモデル「DRCヒューボ」は彼の指導でKAIST博士課程の学生10人、修士4人、校内ベンチャー企業のレインボーの博士4人がひとつのチームになって作った。 

  一方、今大会に出場した24チームのうち3位となったカーネギーメロン大学ヒューボを使うなど外国の10チームが韓国製ハードウェア(ロボット本体と部品)を使い大会中の話題となった。


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災害ロボット競技会で韓国のロボットが優勝
 [201567127] 日刊スポーツ

 東京電力福島第1原発事故などを想定し、米カリフォルニア州で開かれた災害ロボット競技会の決勝戦は6日、韓国科学技術院チームのロボット「HUBO(ヒューボ)」が総合点で首位となり優勝した。200万ドル(約2億5千万円)が贈られる。
 米国やドイツの強豪が上位を占める中、韓国が技術力の高さを見せつけた。4チームが出場した日本は、産業技術総合研究所のロボット「HRP2改」が10位に入ったのが最高だった。東京大チームは11位。
 総合2位は米フロリダ州の研究機関IHMC。3位は米カーネギーメロン大のチームだった。
 多くのロボットが立ち往生した1年半前の予選と比べ、カートの運転やドリルを使って穴を開けるなどの難しい課題を次々にこなすハイレベルの戦いになった。
 参加した24チームのうち、カーネギーメロン大や米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所のように、手脚を折り曲げて地面を走り、目的に合わせて体を変形させるロボットの活躍が目立った。
 競技会は米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が主催し、5日から2日間の日程で行われていた。(共同)

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